「NURO光のルーター(ONU)について詳しく知りたい!」
「当たり外れがあるって本当?」
光回線を接続するときは、ONU(光回線終端装置)に加えて別途ルーターを繋ぐのが一般的ですが、NURO光の場合は端末にルーター機能が付いているため別途用意する必要はありません。
別途費用がかからないのは大きなメリットですが、自分で機種を選べないのが難点です。NURO光のONUには当たり外れがあります。
そこで今回は、NURO光のルーター(ONU)について徹底解説。実際に3種類の機種を使ってみたのでレビューも掲載しています。
設定手順も含めて、ぜひ参考にして下さいね。
ONUとは、光ファイバー内を通る電気信号を通信機器が受信できるデータに変換するもの。Optical Network Unitの略で、日本語では光回線終端装置と表記されます。
記事内では、ONUを一般的に馴染みのある呼称「ルーター」とほぼ同じものとして(NURO光のONUはルーターが一体型なので)解説していきます。
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どれがおすすめ?NURO光のルーター(ONU)全種類を比較
NURO光では、以下のONUが用意されています。それぞれの違いを見ていきましょう。
各機器の違い
機種 | おすすめ度 | 最大通信速度 | 無線LAN規格 |
---|---|---|---|
ZXHN F660A | 1300Mbps | Wi-Fi5 (IEEE 802.11 a/b/g/n/ac) | |
SGP200W | 1300Mbps | Wi-Fi5 (IEEE 802.11 a/b/g/n/ac) | |
FG4023B | 1300Mbps | Wi-Fi5 (IEEE 802.11 a/b/g/n/ac) | |
HG8045Q | 1300Mbps | Wi-Fi5 (IEEE 802.11 a/b/g/n/ac) | |
ZXHN F660T | 450Mbps | Wi-Fi4 (IEEE 802.11 a/b/g/n) | |
HG8045j | 450Mbps | Wi-Fi4 (IEEE 802.11 a/b/g/n) | |
HG8045D | 450Mbps | Wi-Fi4 (IEEE 802.11 a/b/g/n) | |
ZXHN F660P | 4,800Mbps | Wi-Fi6 (IEEE 802.11 a/b/g/n/ac/ax) | |
NSD-G1000T/TS※ | 4,800Mbps | Wi-Fi6 (IEEE 802.11 a/b/g/n/ac/ax) |
送られてくるONUは自分で選べない
NURO光のONUはいくつか種類があり、性能が同じではありません。できれば最新機器を選びたいところですが、どの機器が割り当てられるかはランダムです。
宅内工事のとき作業員が持ってきたONUをそのまま使用する流れとなっています。
ONUを選べない理由ですが、恐らく選択肢があったとしても分からないからでしょう。
専門的な知識がなければどれを選ぶべきか分かりませんし、最新機器だとしても建物の形状からベストな選択であるとは限りません。
また、在庫の偏りを無くしたい意図もあるのではと思われます。
Wi-Fi5(イレブンエーシー)以上が当たり
サイズなどはどれもあまり変わりませんが、違いがあるのは速度と安定度。
ZXHN F660A・HG8045Q・SGP200W・FG4023Bの4機種は11a/b/g/n/acに対応。業界ではWi-Fi5または11ac(イレブンエーシー)対応と呼ばれ、Wi-Fi接続時の最大速度が1300Mbpsとなります。
11ac非対応と比べて、およそ3倍の速度です。
さらに、ZXHN F660PとNSD-G1000T/TSは11acの次世代であるWi-Fi6(11ax)に対応。最大速度は4,800Mbpsとなり、ZXHN F660T・HG8045j・HG8045Dと比べて約10倍もの差となっています。
大当たり
ZXHN F660P
当たり
- ZXHN F660A
- SGP200W
- FG4023B
どちらとも言えない
- HG8045Q ※指向性がやや弱いため
- NSD-G1000T/TS ※オプション加入が必要なため
外れ
- ZXHN F660T
- HG8045j
- HG8045D
HG8045QとNSD-G1000T/TSは高性能だがやや評価が下がる
理論上はHG8045Qも問題ありませんが、電波を拾う指向性の感度がやや悪いと感じます。口コミ評価も考慮して、当たり機種はZXHN F660A・SGP200W・FG4023B・ZXHN F660Pを選びました。
また、ソニー製の高性能ルーターであるNSD-G1000T・NSD-G1000TSですが、利用条件として月額550円のNUROスマートライフに加入する必要があります。オプション加入が必須となってしまうため、評価がやや下がっています。
NURO光のONUは無料で交換できる
最新式で電波の範囲が広いZXHNF660Aなどに当たれば幸運ですが、割り当てられたONUに不満がある場合もあるでしょう。
そんなときは、NURO光 サポートデスクに連絡すれば無料で交換してくれます。
ONU交換の連絡先
NURO光 サポートデスク:0120-65-3810
※受付 は9:00〜18:00まで
一応、ONU交換には1万円程度の料金がかかるルールとなっていますが、速度が遅いなどの事情を話せば無料で交換してくれます。
交換を申請するならWi-Fi6対応のZXHN F660Pがおすすめ
もしNURO光にてルーター(ONU)の交換を申請するならWi-Fi6対応のZXHN F660Pが最もおすすめです。
Wi-Fi6とは2020年1月にサービスが開始された最新のWi-Fi規格のことです。正式な規格名は「IEEE 802.11ax」となりますが、これでは世間一般的に覚えにくいです。
そこで、Wi-Fiの普及促進を行うアメリカの団体「Wi-Fi Alliance」が、最新のWi-Fi規格である「IEEE 802.11ax」の正式名称を「Wi-Fi6」にすると発表しました。
Wi-Fiにはこれまでに第1世代から第5世代までの規格があり、Wi-Fi6の6とは第6世代の規格を意味します。「11ax」と表記されることもあります。
補足:歴代のWi-Fi規格一覧
こちら、参考までにWi-Fi規格の歴史をまとめてみました。
歴代のWi-Fi規格
Wi-Fi 規格名 | 新呼称 | 最大通信速度 | 周波数 |
---|---|---|---|
IEEE 802.11a | ーー | 54Mbps | 5GHz 帯 |
IEEE 802.11b | ーー | 11Mbps | 2.4GHz 帯 |
IEEE 802.11g | ーー | 54Mbps | 2.4GHz 帯 |
IEEE 802.11n | Wi-Fi 4 | 600Mbps | 2.4GHz 帯 5GHz 帯 |
IEEE 802.11ac | Wi-Fi 5 | 6.9Gbps | 5GHz 帯 |
IEEE 802.11ax | Wi-Fi 6 | 9.6Gbps | 2.4GHz 帯 5GHz 帯 |
Wi-Fiが初めて登場した第1世代から第3世代までは呼称がありませんでした。
Wi-Fiの正式名称である「IEEE 802.11」に続く最後のアルファベット表記が変えることで、新しいWi-Fiの規格名としていたんですね。
「IEEE 802.11n」の規格から覚えやすいように、Wi-Fi4と名付けられています。
無線通信を主に使うならWi-Fi6を導入したい
有線より無線通信が多い人は、Wi-Fi6の導入を検討しましょう。NURO光のONU(ルーター)だと、ZXHN F660PとNSD-G1000T/TSがWi-Fi6対応です。
Wi-Fi6をおすすめできる人
- 8Kや4Kなどの高画質の映像を見たい
- オンラインゲームを快適に楽しみたい
- パソコン、スマホ、タブレット、IoT家電など複数の端末でWi-Fi接続したい
- バッテリー消費をなるべく節約したい
特定の人におすすめというより、今後の時代においてすべての人が利用すべきサービスとして認知されていくでしょう。
以下、Wi-Fi6を使うメリットをまとめます。
安定度が高い高速通信が可能
Wi-Fi5の最大通信速度は6.9Gbpsです。対して、Wi-Fi6の最大通信速度は約9.6Gbpsで約1.4倍の高速通信。また、Wi-Fi5は5GHz帯のみ対応だったのに対して、Wi-Fi6は2.4GHz帯と5GHz帯に対応しています。
状況に応じて2.4GHz帯と5GHz帯を組み合わせることができるため、安定した通信が可能です。
複数端末の同時接続でも電波が届きやすい
Wi-Fiを使う際に、「なんだかWi-Fiが遅い」「接続しにくい」といったことを感じることはないでしょうか。
Wi-Fi5以前は、1台のWi-Fiに接続する端末数が増えると速度が遅くなったり接続しにくくなることが多くありました。
例えばWi-Fi5では、1通信が1つずつの電子端末へ順番に届く仕組みになっています。つまり、複数端末をつなげると、電波を受け取るのに順番待ちの状態になるのです。
これを改善したのがWi-Fi6の「直交周波数分割多元接続(OFDMA)」という技術です。この技術を用いれば、1通信で複数の電子端末に電波が届くようになり順番待ちをすることなく電波を受信できます。
またWi-Fi6では、複数の端末に高速通信を提供するため「MU-MIMO(マルチユーザーMIMO)」の技術も取り入れています。
MU-MIMOは端末の位置を推測して、適切な電波を送ることができます。その結果、電波の干渉が起こりにくくなり、複数の端末に同時送信が可能です。
省エネでバッテリーが長持ち
Wi-Fi6には「TWT(Target Wake Time)」と呼ばれる技術が使われています。
これは、必要な時のみ親機(Wi-Fi6)から子機(パソコンやスマートフォンなど)へデータ通信をおこない、それ以外の時には子機の通信機能をスリープ状態にする技術です。
電波の受信が必要ない子機に親機が通信を制御することで、子機側のバッテリー消費を抑えることができます。
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NURO光のルーター(ONU)を実機レビュー
ここから体験談です。筆者は紆余曲折あって3種類のONU(ZXHNF660T → HG8045Q → ZXHNF660A)を使いました。
以下、リアルな感想を記述していきますね。
ZXHNF660Tは性能が低いと感じた
最初に利用したのがZXHNF660T。下り最大通信速度は450Mbpsであり、他の高性能ルーターと比較するとかなり低いです。
このときはスペックのことを知らなかったのですが、やはり体感としても遅さを感じます。
また、接続が不安定で動画ストリーミングが特にストレス。シークバーがなかなか進まず、なかばクレームを言うような形でNURO光へ連絡しました。
HG8045Qは電波の回り込みが弱くWi-Fi接続が遅いと感じた
はじめに使っていたZXHNF660Tは、Wi-Fi速度が最大450Mbpsということもあり、最大1300MbpsのHG8045Qに交換。
HG8045Qは最大速度が速いことに加えてひかりTV対応だったこともあり交換することに。しかし、スペック的には問題ないはずなのですが、電波が弱く無線接続が遅かったです。
HG8045Qは電波の指向性が直線的で狭い仕様となっており、戸建てでNURO光を使う我が家には不便でした。酷いときはWi-Fi速度が3Mbps以下に。
建物の回り込みに弱い構造なので、1階にONUを置いて2階でネット接続するのが特に厳しかったです(有線接続は問題ない)。
ちなみに、建物の形状によってはHG8045Qでもまったく問題ないと思われます。特に、指向性が狭くてよいワンルームなどは快適でしょう。
ZXHNF660Aは使い心地が良かった
速度の不調を理由に、ONUの交換を申請。ZXHNF660Aに無料で交換してもらえました。結果として、ZXHNF660Aは利用した3種類の中で最も優秀でした。
F660のシリーズは、電波の指向性が広くて家のどこでもまんべんなく速度が出ます。無線LAN接続は、100Mbps以上で安定。
我が家では1階にONU(ZXHNF660A)を置いていますが、中継器をを用意することなく2階でも快適にWi-Fi接続できています。
ちなみに、有線接続なら800Mbps以上で安定。ZXHNF660Aは、スペックだけでなく実体験でも優秀な機種であることを確認できました。
今からNURO光に契約する人は、ZXHNF660Aの上位互換であるZXHN F660Pがおすすめ。筆者はZXHNF660Aで満足したので交換を申請することはもうありませんが、こちらの機種の方が高性能です。
NURO光はルーター(ONU)を無料でレンタルできる
NURO光はルーター(ONU)を無料でレンタルできます。自前ルーターは用意しなくて構いません。
ルーターの別途購入は不要
NURO光はルーター一体型のONU(光回線終端装置)を無料レンタルできます。NURO光契約後に自動的に送られてくるため、レンタルの申請は不要です。
他の光回線はONUとルーターが分かれていることが多いので、自前でルーターの準備が必要です。
市販ルーターは1万円くらいかかる場合がありますが。NURO光なら別途購入しなくてOKです。
無線LAN(Wi-Fi)機能も使える
NURO光のONUはルーター機能に加えて無線LAN(Wi-Fi)機能も備えています。Wi-Fi利用時のオプション料金はかかりません。
なお、NURO光の無線LANは2.4GHz・5GHzの両方に対応しています。2.4GHzは回線混雑に弱い半面障害物の回り込みに強く、5GHzはその逆の性能を持ちます。
同じONUから両方の電波を飛ばすため、状況に合わせて最適な接続方式を選択できます(○○AのSSIDが5GHz)。
簡易NAS機能でデータ共有も OK
ちなみに、NURO光のルーターは、簡易NAS機能も備えています。
NAS(Network Attached Storage)とは共有化の意味で、外付けHDDやUSBメモリのデータを同じネットワーク内(自宅の中)で共有できます。
HDD内の写真データを、同じONUで繋いでいる(無線LAN接続でもOK)スマホで閲覧する、といった使い方など可能です。
NURO光で自前ルーターを使った方がいい例外パターン
自前ルーターは基本的に不要ですが、以下のパターンは例外です。
自前ルーターが必要な人
- ビームフォーミング機能を使いたい
- 同時接続数を増やしたい
- さらなる高性能なルーターを使いたい
自前ルーターを検討すべき人
- 離れた距離でWi-Fi接続する
- 20台以上接続する
ビームフォーミング機能を使いたい方や同時接続数を増やしたいといった使い方を希望するなら、自前ルーターを用意しましょう。
どこまでも高性能なルーターを追求したい方も、自前ルーター向きです。
その他、20台以上の通信機器を同時接続する場合、通信が不安定になる可能性があるため自前ルーターを検討すべきです。
離れた距離でWi-Fi接続する場合も要検討。ただ、階数が変わっても1~3階の間であればNURO光のONUだけでも十分ネット接続が可能です。
自前ルーターを使うならブリッジモードにする
ブリッジモードとは、ルーター機能を無効化させる設定のことです。中継器として使用する際に、この設定を行います。
市販ルーターのデフォルトは、ルーターモードです。これをブリッジモードに変更しましょう。
ブリッジモードの設定手順は各ルーターによって異なります。大体は、ルーター機能無効のスイッチに切り替えればOKです。
ブリッジモードに変更しないままだと二重ルーターとなり、速度が大幅に低下する可能性あるのでご注意を。
ルーター(ONU)が原因で速度が遅いと感じたときの対処法
もし、NURO光のルーター(ONU)の速度がどうしても遅いと感じるなら、以下の方法でチャンネル固定化を行うと改善される場合があります。
初期設定のチャンネル「自動」だと空いている電波帯を選ぶのですが、固定化することで接続を安定させることが可能です。
設定手順
- 「192.168.1.1」にアクセス
- アカウント・パスワードは「admin」でログイン
- メニューから「WLAN」をタップ
- 「2.4GHz詳細ネットワーク」をタップ’
- チャンネル「3」を選び「適用」をタップ
- 「5GHz詳細ネットワーク」をタップ
- チャンネル「40」を選び「適用」をタップ
以上で完了です。これでチャンネルが固定化されます。
チャンネル固定化でも速度が改善されない場合は、ONU交換を申請しましょう。
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NURO光のルーター(ONU)を設定する手順
ここでは、詳しい設定手順について解説してきます。初心者でも簡単にできるので安心してくださいね。
手順1:光ケーブルを本体に差し込む
ルーターの設定は、ネット回線の初心者にとってはハードルが高いです。特に、ソフトウェアのインストールを行うパソコン側の設定が面倒ですよね。
ですが、NURO光のルーター(ONU)は、光ケーブルを繋いで電源を入れるだけでOK。無線LAN(Wi-Fi)機能も含め、パソコン側の設定は不要ですよ。
ONUごとに形状は変わりますが、基本手順はすべて同じです。以下、詳しい設定方法です。
ファイバーカバーの取り外しは非常に硬くて力がいります。外せたら、光ケーブルを奥まで差し込みましょう。
光ケーブルを差し込めたら、再度ファイバーカバーを装着。付属のスタンドで固定させます。
最後に、電源を入れて設定完了です。
これで、お使いの通信機器にネット接続する準備は整いました。
手順2:ネット接続を行う
NURO光でインターネットに接続するには、
- 有線接続
- 無線(Wi-Fi)接続
の2種類があります。ルーター設定が終わったら、いずれかの方法でネットに繋ぎましょう。
有線接続
有線接続する場合は、LANケーブルを使用します。LANケーブルはルーター(ONU)と同梱されて送られてきますが、長さが足りないときは自前で用意してください。
LANケーブルの差込口は、ONU裏のLANポートです。
もう一方をお使いの通信機器に接続すれば、有線でネット通信ができます。
無線(Wi-Fi)接続
まず、ルーターの無線LANのランプ(2.4G/5G)が点灯していることを確認しましょう。問題なければ、ONUの側面に書かれているID・パスワードを確認します。
あとは、お使いの通信機器にてWi-Fi接続設定を開き、確認したID・パスワードを入力しましょう。
まとめ
NURO光で用意されているルーター(ONU)はどれを割り当てられるかは分かりません。実際に利用してみて、速度に不満があるなら交換を申請しましょう。
実際に体験した感想としてはZXHNF660Aが快適でした。この辺りは、ご自身の通信環境でも変わるためONUが届いたら速度測定して確かめてくださいね。
なお、他の光回線では当たり前のように準備する自前ルーターですが、NURO光なら別途購入しなくて構いません。
一部例外はありますが、基本的にはルーター一体型のONU一台で事足ります。もし、自前ルーターを使うならブリッジモードに設定しておきましょう。
設定手順は、光ケーブルを差し込んで電源を入れればOK。パソコン側での初期設定は不要です。
有線接続はLANケーブルをさらに繋ぎましょう。もし、速度が遅すぎる場合は、チャンネルを固定化すれば改善できます。
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