「ポケット型WiFiは自宅の固定回線代わりに使えるの・・?」
自宅でインターネットを利用するなら、固定回線(光回線)が主流です。しかし、固定回線は回線工事が必要で開通までに時間がかかります。
一方、WiMAXなどモバイルタイプのポケット型WiFiなら工事不要ですぐにネットを利用できます。そこで気になるのが、ポケット型WiFiを固定回線代わりに使えるかどうか。
結論から言うと、ポケット型WiFiは自宅の固定回線代わりに使えます。ただし、全員におすすめできるわけではありません。
ポケット型WiFiは手軽に利用でき月額料金が安いものの、通信速度や同時接続数、通信の安定性では固定回線に劣ります。一方、固定回線は高速かつ安定した通信が可能ですが、工事が必要で利用場所が限定されます。
この記事では、どんな人ならポケット型WiFiを固定回線代わりに使えるのか徹底解説していきます。
ポケット型WiFiと固定回線の主な違い
比較項目 | ポケット型WiFi | 固定回線 |
---|---|---|
実効速度 | 30Mbps〜150Mbps程度 | 200Mbps〜1Gbps程度 |
月額料金 | 3,000〜5,000円程度 | 4,000〜6,000円程度 |
工事の必要性 | 不要 | 必要 |
利用開始までの期間 | 最短即日〜数日 | 約2週間〜3ヶ月 |
通信制限 | プランによって異なる | 無制限 |
利用場所 | 場所を選ばない (屋外でも利用可) | 設置した場所のみ |
同時接続台数 | 最大16台程度 | 最大32台程度 |
Ping値(遅延) | 高め | 低め |
バッテリー | 充電が必要 | 不要 |
ポケット型WiFiを固定回線代わりに使えるか?
ポケット型WiFiとは?
ポケット型WiFiとは、小型で持ち運び可能なモバイルWiFiルーターのこと。SIMカードを挿入することで、モバイル向けの回線を使ってインターネットに接続。場所を選ばずにWiFi環境を構築できるのが最大の特徴です。
固定回線とは?
固定回線は自宅に引かれた物理的な回線で、光回線やADSLなどがこれに当たります。現在は、固定回線=光回線と捉えていいでしょう。回線工事が必要で利用場所は限られますが、高速かつ安定した通信が可能。通信量に制限がないのも魅力です。
固定回線の代わりに使うことは可能だが注意点あり
ポケット型WiFiを固定回線の代わりに使うことは可能ですが、メリットだけでなくいくつか注意点があります。
メリット
- 工事不要ですぐに使える(開通工事の必要がない)
- 月額料金が固定回線より安い傾向
- 持ち運びができるので、自宅以外でも通信可能
デメリット・注意点
- 通信速度は固定回線より遅く、不安定になりやすい
- 使い過ぎると速度制限がかかる
- 電波状況によっては圏外になる
- 同時接続台数が固定回線より少ない
- こまめな充電が必要
利便性の面では、ポケット型WiFiに分があります。外出先でもWiFiが使えるのは強み。引っ越しが多い人にもおすすめで、面倒な工事なしですぐネットが使えます。
一方で、固定回線の利点は、複数人で同時に大容量通信をしても速度が落ちにくいこと。動画視聴やオンラインゲームなど、家族でネットを使う機会が多いなら固定回線が向いています。
速度の違いはどれくらい?
実効速度
- ポケット型WiFi:30Mbps〜150Mbps程度
- 固定回線:200Mbps〜1Gbps程度
通信速度を比べると、ほとんどのケースで固定回線の方が速いです。光回線の下り最大速度は、10Gbpsを超えるサービスもあります。実効速度が1Gbpsを超える地域も。
大量のデータを高速で伝送できるのはもちろん、天候や周辺環境の影響を受けにくく、安定性に優れています。
一方でポケット型WiFiの多くは、下り最大速度が数十〜数百Mbps程度。大容量のデータ通信を行うと速度が制限される場合があります。
ただし、固定回線でも無線LANを使う場合は、ポケット型WiFiと大差ない速度になることも。また、用途によってはポケット型WiFiで十分な人も多く、速度が速いからといって固定回線を選ぶ必要はありません。
必要な速度の目安
用途 | 必要な速度 | 備考 |
---|---|---|
メッセージ送受信 | 0.2~1 Mbps | SNSやLINEなど |
Webサイト閲覧 | 1~10 Mbps | 画像の多いサイトは10 Mbps推奨 |
音楽聴取 | 0.5 Mbps | 高音質の場合は要確認 |
動画視聴 | 0.7~20 Mbps | YouTubeなど、画質による |
Web会議 | 0.6~3.2 Mbps | Zoom、Teamsなど |
オンラインゲーム | 20~100 Mbps | Ping値15~50ms推奨 |
高画質動画/4K | 50 Mbps以上 | テレワーク、高画質コンテンツ向け |
どんな人がポケット型WiFiを使うべきか
メリット・デメリットを踏まえて、どんな人が固定回線の代わりにポケット型WiFiを使うべきかまとめました。
- 引っ越しが多く工事ができない人
- 1人暮らしなど利用者が少ない環境
- 外出先でもWiFiを使いたい人
- 通信量があまり多くない人
- 対戦型ゲームをあまりやらない人
上記に当てはまる人は、固定回線は不要でポケット型WiFiだけでも十分に満足できるでしょう。
家族での利用や大容量の通信を行う場合は、速度と安定性の面から固定回線の方が向いています。
ご自身の生活に合わせて、適切な選択を行いましょう。
ポケット型WiFiを固定回線代わりにできる人4選
以下に当てはまる方は、特にポケット型WiFiを固定回線代わりにするのに向いています。
- 動画再生やネットサーフィンがメイン
- 1人か2人でネットを使う
- 引っ越しの頻度が高い
- 急ぎで仕事用の回線が欲しい
動画再生やネットサーフィンがメイン
インターネット利用の主な目的が、動画視聴やネットサーフィンならポケット型WiFiで問題ありません。特にWiMAXなら通信速度が向上しており困ることはないでしょう。
また、WiMAXは以前のルールである「3日で15GB以上使うと速度制限」が撤廃されています。
固定回線の方が速度は優秀ですが、動画やネットを楽しむ程度ならポケット型WiFi十分です。
1人か2人でネットを使う
家でネットを使う人数が1~2人なら、ポケット型WiFiを固定回線代わりとして使えます。具体的には1人暮らしをしている学生さんや単身赴任中の人、夫婦で二人暮らしをしている人ですね。
インターネットを利用する人数が多いと、データ消費が多くなります。家族の人数が多いと速度制限にかかる可能性が高まります。
ですが、利用人数が2人以下であれば、自由にネット通信を行ってもほぼ問題なし。過度に心配する必要はありません。
引っ越しの頻度が高い
固定回線の場合、引っ越しの度に工事や手続きが必要です。手間も費用もかかり面倒ですが、ポケット型WiFiなら引っ越しの際もルーターを持ち運ぶだけ。
引っ越し頻度が高い一人暮らしやカップルには、大きなメリットです。
急ぎで仕事用の回線が欲しい
仕事の都合で急にネット回線が必要となっても、すぐに対応できます。工事が不要で、早ければ翌日にはテレワーク環境を構築できます。
端末の持ち運びが可能なので、気分転換にカフェ、コワーキングスペース、図書館などで仕事をすることも可能。
また、ビデオ会議や簡単なファイルのやりとりなら、ポケット型WiFiで問題なし。
ただし、長時間ビデオ会議をしたり大容量ファイルを送受信したりするなら、後々固定回線の導入を考えた方がいいでしょう。
急ぎで仕事用のネット環境が欲しい方は、ポケット型WiFiを検討してみてください。
ポケット型WiFiより固定回線を使った方がいいケース
ポケット型WiFiは手軽さでは固定回線に勝りますが、速度と安定性は劣ります。
以下に当てはまる人は、固定回線を使った方が無難です。
- 安定した通信でオンラインゲームを楽しみたい
- 大容量のデータを毎日消費する
- 3人以上の家族でネットを使う
安定した通信でオンラインゲームを楽しみたい
安定した通信でオンラインゲームを楽しみたいなら、固定回線がおすすめ。
オンラインゲームをプレイする際は、通信速度だけでなく安定性とping値が重要です。ping値とは応答速度のことで、数値が高いとラグや遅延が発生しやすくなります。
ポケット型WiFiは固定回線と比べてping値が高く安定性に欠けるのがデメリットです。
ゲーム環境の違い
WiMAX | 固定回線 | |
---|---|---|
実行速度 | 30Mbps〜150Mbps程度 | 200Mbps〜1Gbps程度 |
安定感 | 低い | 高い |
ping値 | 高い | 低い |
速度制限 | サービスによる | なし |
オンライン(FPS/格ゲー以外) | 〇 | 〇 |
オンライン(FPS/格ゲー) | △ | 〇 |
ゲームの ダウンロード/アップデート | △ | 〇 |
多くのゲームはポケット型WiFiで対応できますが、FPSや格闘ゲームなどラグが許されないシビアなオンラインゲームをプレイするなら固定回線を導入した方がいいでしょう。
大容量のデータを毎日消費する
毎日大容量のデータをダウンロード・アップロードする人もポケット型WiFiは向きません。具体的には以下のような使い方をする人です。
大量データの送受信例
- 高画質(4K)の動画を長時間視聴
- パソコンやゲーム機で大容量のゲームをダウンロード
- 重たいアプリやOSを頻繁にアップデート
- クラウドストレージにファイルを大量アップロード
使い放題ではない「月〇GBまで」のプランだと、データを消費しすぎると速度制限にかかります。上記のような使い方を毎日繰り返す人は、すぐ制限にかかるので注意が必要です。
速度制限後も多少の速度は出るので使いものにならないわけではありませんが、高画質動画の視聴や大容量ファイルのダウンロードでストレスを感じるでしょう。
固定回線なら速度制限なし。毎日好きなだけデータのダウンロード(アップロード)が可能です。
3人以上の家族でネットを使う
3人以上の家族でネットを使う場合も固定回線を検討しましょう。インターネットを利用する人数が増えると、それだけ利用するデータ通信量も増えます。
1人ではあまりネットを使わなくても、3人以上集まれば速度制限にかかりやすくなります。また、接続台数が足りなくなる可能性も。
ポケット型WiFiの同時接続台数もまずまずの余裕はありますが、スマホ・ノートパソコン・ゲーム機など複数機器を3人以上で接続すると接続数が簡単にオーバーします。
固定回線代わりにおすすめのポケット型WiFiとは?
固定回線の代わりにポケット型WiFiを使うなら、
- 速度と大容量通信を求める人はWiMAX
- 料金の安さを重視する人は楽天モバイル
がおすすめです。詳しい理由を解説します。
WiMAXが最良の選択
最新のWiMAXでは、5G通信と4G LTE、WiMAX2+の回線を併用できます。
下り最大速度は3.9Gbpsで、実測値でも平均100Mbps以上の速度が出ます。
データ使い放題で大容量の通信にも対応。コンパクトで持ち運びやすいサイズながら、最大16台までの機器を同時接続できます。
電波の受信性能も高く、屋内でも比較的安定した通信が可能。
実質月額は4,000円ほどで、ドコモやソフトバンクが提供するデータ端末よりリーズナブルです。
なぜクラウドSIMではなくWiMAXなのか
クラウドSIMとは大手キャリアの回線を借りて運営するポケット型WiFiのサービスです。
クラウドSIMは月100GB程度の上限があり、超過すると月末まで128kbpsの低速に。また、実効速度も30Mbps程度となっており、WiMAX比べて大きな差となっています。
通信エリアは、ドコモ・au・ソフトバンク・楽天モバイルの回線を併用するクラウドSIMに軍配が上がりますが、実際はau回線を併用するWiMAXとの差はほとんど感じられません。
用途によってはクラウドSIMの方がおすすめな場合もありますが、固定回線の代わりとするならWiMAXを選んだ方がいいですよ。
最安でWiMAXを使うなら「GMOとくとくBB WiMAX」
WiMAXは、どのプロバイダを使っても通信速度・対応エリアは変わりません(本家のUQ WiMAXと同じ)。そのため、シンプルに料金の安さで選ぶのがベストです。
2024年12月時点では、実質月額が3,461円(12カ月利用の場合)のGMOとくとくBB WiMAXが最もお得に契約できます。
WiMAXプロバイダの料金比較
実質月額(利用期間別) | ||||
---|---|---|---|---|
6カ月 | 12カ月 | 24カ月 | 36カ月 | |
GMOとくとくBB WiMAX (キャッシュバック適用) | 8,635円 | 3,461円 | 3,749円 | 3,845円 |
GMOとくとくBB WiMAX (キャンペーンなし) | 8,635円 | 6,336円 | 5,187円 | 4,803円 |
カシモWiMAX | 8,650円 | 6,349円 | 5,198円 | 4,815円 |
UQ WiMAX | 6,138円 | 5,203円 | 5,048円 | 5,015円 |
BIGLOBE WiMAX (キャッシュバック適用) | 5,435円 | 4,357円 | 3,817円 | 4,142円 |
BIGLOBE WiMAX (キャンペーンなし) | 7,352円 | 5,315円 | 4,296円 | 4,461円 |
Broad WiMAX (キャンペーン適用) | 9,414円 | 6,594円 | 4,977円 | 4,713円 |
Broad WiMAX (キャンペーンなし) | 12,761円 | 8,267円 | 5,814円 | 5,271円 |
5G CONNECT | 7,215円 | 4,630円 | 3,938円 | 4,225円 |
カシモ WiMAX・Broad WiMAX・BIGLOBE WiMAXなど人気プロバイダと比較してもGMOとくとくBB が有利。
プロバイダを経由しないWiMAX本家(UQ WiMAX)とも差があります。
今月のGMOとくとくBB_WiMAXでは端末代金が実質0円となる特典に加えて高額キャッシュバックを受け取れます。
2024年12月現在のキャッシュバック金額は最大76,500円
- すべての人が対象:34,500円
- 他社から乗り換える人:最大40,000円まで他社の違約金を負担
- 2つのオプション加入:2,000円追加
キャッシュバックの受け取り条件は、専用ページから申し込むだけ。さらに、端末代金も分割割引により無料となります。
外に持ち運ばないならホームルーターもあり
自宅だけでインターネットが使えればいいのなら据え置き型のホームルータータイプもあり。
モバイルルーターよりもアンテナの感度が強く広範囲で安定した通信ができるのが利点、速度が安定します。また、LANポートを備えているため、有線接続が可能です。
同時接続できる台数もモバイルルーターより多いので、複数機器に利用できます。
\ 限定キャッシュバック中 /
コスパ重視なら「楽天モバイル」も検討したい
楽天モバイルのポケット型WiFi「Rakuten WiFi Pocket」は、月額3,278円で使い放題。月20GBに収まれば2,178円です。
データ容量 | 月額料金 |
---|---|
3GBまで | 1,078円 |
20GBまで | 2,178円 |
20GB以上 | 3,278円 |
WiMAXより速くはありませんが、動画視聴を含めて日常的な使い方なら十分快適。
バッテリー持ちもよく、1日中使っても安心。手のひらに収まるコンパクトサイズで、10台以上の機器を同時接続できます。
また、弱点だった通信エリアや速度はプラチナバンドに対応したことで大幅に改善。この価格なら文句なしのコスパと言えるでしょう。
\ 端末1円で初期費用なし /
ポケット型WiFiと固定回線に関するよくあるQ&A
クレードルは必要?
クレードルとはモバイルルーターを立て掛ける充電スタンドです。単に充電できるだけでなく、
- 通信の安定性が向上する
- 有線接続ができる
といったメリットがあります。WiMAXのクレードルには拡張アンテナが搭載。
モバイルルーター単体で利用する時よりも電波状況が改善されて通信速度と安定性の向上が期待できます。
さらにクレードルには有線LANポートが付属。パソコンやゲーム機を有線接続することが可能です。
そんなクレードルですが、WiMAXを固定回線として使うために必須かどうか?といった疑問に対しては、無理に購入しなくて構わない、との回答になります。
理由は、オプション料金が高いからです。
クレードルの価格は別売り5,500円~6,000円程度。高額なので、最初はクレードルなしで満足できる通信品質か試してみるといいでしょう。
最近はWiFiルーターの性能が上がっており、クレードルを使わなくても快適に使えるケースが多いです。
もし不満ならあとから追加で購入することも可能です。
固定回線の代わりはテザリングでもいい?
テザリングとは、スマホをモバイルルーターのように使って、パソコンやタブレットなどをインターネット接続する機能のことです。スマホさえあれば、いつでもインターネット環境を構築できるのが特徴。
新たに通信機器を購入しなくて済むため経済的にもお得です。
しかし、テザリングを使うとスマホのデータ消費が激しくなります。バッテリー消費も激しくなるため、スマホが使いづらくなってしまうのが難点です。
そのため、軽い用途で短い時間ならテザリングでも固定回線の代わりとして代用できますが、数時間使用するなら消費が激しいため向きません。
ポケット型WiFiを固定回線化する手順は?
ポケット型WiFiを固定回線化する手順は、通常の利用方法と特に変わりはありません。
- ポケット型WiFiを購入またはレンタルする
- 端末にSIMカードを挿入する
- 端末を自宅の適切な場所に設置する
- 端末の電源を入れる
- 接続したい通信機器のWiFi設定からポケット型WiFiのSSIDを選択
- パスワードを入力してインターネットを使う
ポイントとしては、窓際など自宅の電波状況の良い場所(遮蔽物が無い)に設置することを心がけましょう。また、同時接続数が多いと速度が落ちるため、接続不要な機器は外しておくことが大切です。
まとめ
ポケット型WiFiを固定回線代わりに使うメリットは、工事不要ですぐ使え、料金も比較的安いこと。引っ越しが多い単身者や、ネットの利用頻度が少ない人に適しています。
一方、デメリットとしては、通信速度が不安定で、固定回線ほど速くないこと。また、1ヶ月の通信量に上限があるプランが多く、使い過ぎると速度制限がかかります。
結論としてポケット型WiFiは固定回線の代わりに使うことができますが、状況によって不向きなケースがあるため注意しましょう。
ネットサーフィンや動画再生がメイン、あるいは1人から2人でネットを使うなら固定回線代わりに使って問題ありません。
ラグが許されないオンラインゲームをプレイしたり、大容量データをダウンロードしたりする人は固定回線を選んだ方が無難です。